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Question10:
低学年から勉強すれば読解力や記述力がつきますか?


●Answer 当研究所が4年生以下のコース設けていない理由について説明することで、回答とさせていただきます。

当研究所が、低学年のコースを作らないで、5年生から授業をスタートさせるのは、次のような理由によります。

まず、「早く受験勉強をスタートすれば、早く力がつく」という考え方に問題があります。

確かに、例えば、算数や音楽の演奏技術については早期教育が功を奏する面が大きいと言えます。(但し、教え方が極めて重要になります。)

しかし、国語について、早期教育をしても、せいぜい漢字やことわざを覚えさせるのが関の山で、それ以上の効果は期待できません。

ですから、低学年から大手塾のにかよっていても、結局、5年生から始める生徒とほとんど変わらないと言えます。

実際に私は、鈴木国語に来る生徒について、そのような比較をしているわけです。

これは、子供の脳の発達と関係があると思われます。

中学入試で要求されるのは、ある程度抽象度の高い論理的な思考力です。

ところが、脳が、このような抽象的・論理的な思考力に耐えられる程度にまで発達するには、12歳程度になるまで待たなければならないと思われます。

実際、小4の生徒に、小6でやる抽象度の高い文章を、どんなに丁寧に解説してやっても、ほとんど受容することはできないと言えます。

ところが、小6くらいになると、これを受容することができるようになります。そして、この段階で国語の論理的な読解・記述のトレーニングをすると、飛躍的に力がついてくるというわけです。この時期、女の子などは反抗期になり、親を言い負かすほどに屁理屈を言うようになったりしますが、これが国語の抽象的で論理的な文章を受容する脳が形成された印とも言えます。

このように、国語の読解力・記述力をつける問題は、子供の脳の発達と関数の関係にありますので、よく子供の理解力の発達程度をにらみつつ、慎重に対応していかなければなりません。

ですから、5年生から始めると言っても、これはまだ6年生への助走期間・準備期間にすぎないわけで、まず、平易な文章を用い、基本的な読み取り方の練習を繰り返して身につけさせつつ、ほとんど彼らが意識しないような形でスロープを上るようにしてやる必要があります。このような慎重さを欠いた大手塾の試験の成績などはいったん無視していただきます。

次に、5年生の12月ごろから6年生の6月ごろにかけて、やはり徐々にではありますが、一般の入試問題に対応できるような状態へと、生徒の対応力を大きく転換させます。こうすると、7月初めの合不合判定予備テストなどで、今までとったことのない偏差値68というレベルに達する生徒も出てきます。

6年の夏休み中は、大手塾の講習や合宿という浪費によって力が落ちないように、やや基本に戻して、夏期講習を行います。

そして、秋から、これまでよりさらに高度な文章を、基本を失わないようにしつつ、入試にも対応できるように演習します。

こうして、入試本番までかけて高度な力の養成を行います。

当研究所は、概要このような方針で、読解力・記述力・それに対応できる「考える力」を養うことを目的としておりますので、5年生からのスタートとなるわけです。

かつて、4年生「読書」コースをやっていた時は、月8時間で授業料月1万円というほとんどボランティア的な形でやっていましたが、これは「4年生は、まだ国語の受験勉強はしなくてもよい」というメッセージも込めたものであったのです。


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